2月の農家は・・・

2015年02月08日(日) 考えごと

毎年この時期は本当に過ぎ去るのが早いですね~。

だいたい桜が咲く頃のまでは、あっという間ですね。
きっと多くの人がそうなんだと思います。不思議ですね。

2月は少しずつ春の気配が感じられる時期ですね。
農業をしていてもそれは感じます!
立春という節季の通りに、実はもう冬野菜は春の準備に入っています。

それが農家を少々焦らせてくれています・・。

この場合の春とは、花が咲くことです。
その準備というのは、花芽が下のほうに見えてきて、これから暖かくなるにつれてそれがぐんぐんと伸びていく事です。

野菜も自らの遺伝子を残すために、花を咲かせて種を落とそうとします。
畑にいる白菜もキャベツもほうれん草も人参もブロッコリーも全部花が咲きます!

白菜は芯のところから茎が伸びてきますし、キャベツは中の芯から伸びて最終的にはあの玉を突き破ってきます。
人参とほうれん草、大根は葉の芯のところから茎が伸びますし、ブロッコリー・カリフラワーはあの食べるところが花のつぼみ(花蕾)なので、あの一つずつが黄色の花を咲かせます。

という風に、野菜も花を咲かせるのですが、そうなると葉や根菜なら根の部分が硬くなって食べられなくなります。養分を花を咲かすところに持っていこうとするからです。

だから農家にとってはそれまでに畑にあるすべての野菜を出荷してしまわなければいけません!
お花畑=へたくそ農家なんです!

作物によっての違いはありますが、だいたいの冬野菜は、3月中にはほぼ花が咲いてきます。
3月は春の野菜もまだ少なく、1年で一番野菜がなくなる時期なんです。端境期といいます。

例えば白菜や大根、かぶ、小松菜などのアブラナ科という属主の野菜は低温で小さな花芽を形成します。なので冬は必ずその小さい花芽があります。よーく見ると。

それが温度が高くなるにつれて伸びてくるという仕組みなんです。
なので、もうすでに花芽自体はできていて、それが春になるにつれて大きくなり、同時に硬くなってきます。

ちなみに番外編でキャベツやたまねぎなんかはある基準の小さい状態では寒くても花芽が形成されないという特性があります。
葉の数が8枚とか5枚とかです。。

それを利用して冬の寒くなるまでに8枚くらいになるように育てて、真冬は寒さでほとんど大きくならないので、そのまま花芽をつけずに越冬し翌春に暖かくなればまた育ち始めるという具合で、5~6月くらいに収穫を迎えます。

余談でしたが、そんな風にこの季節の切り替わりの時期は作物もいろいろと忙しいみたいです。。

農家としては、この端境期に野菜が出荷できれば他がない分少し高く売ることができます。これは夏から秋に掛けて(10月頃)も同じで、夏野菜の終わりとまだ冬野菜が出る前の時期でも言えます。

なかなか難しいですが。。

 

まぁそんな恐怖の3月が近づいていますが、それと同時に春、夏野菜の準備も始まっています。

実は6月前半にトマトを収穫しようとすると、4月後半に畑に植え付けるのですが、そうすると、種まきは2月中旬になるのです。茄子もピーマンも同じような感じです。

なので、このへんも少しずつ騒がしくなっております。

と同時に春に収穫したい葉物野菜もそろそろ種まきです。
ほうれん草、小松菜、大根、かぶを中心に色々と蒔こうと思っています。

この時期はまだ寒いので、花芽が作られてしまわないように小さいうちは保温をして育てます。ですが、暖かくなるにつれて、今度はあっと言う間に大きくなってしまうので、今度は保温資材を外して、できるだけ速やかに収穫をしなければいけません!

でないと今度は大きくなりすぎて売れなくなってしまいます。

 

これから夏の8月9月くらいに掛けてどんどん忙しくなってきます。
その恐怖に負けないように、もう今から段取りを組んで、早めは早めに準備をしなきゃ、と少し焦り始めるのが実は2月なんです。

今年も(こそは!)たくさんの野菜を長く収穫できるようにしたいので、この2月もひっそり早起きなんかして頑張っていきます!

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