ブログカテゴリ:2号のつぶやき

ミャンマーの友だちの話

2021年04月06日(火) 2号のつぶやき

久しぶりの農園日誌なのに、私事(妻:2号ごと)で農業とはまたまた全く関係ないことですが、居ても立っても居られなくなったので、書かせていただきました…!
(野菜BOX再開に向けて、畑の方も着々と準備を進めています!)

今回はミャンマーのクーデターのことです。
クーデターが起こって2ヶ月弱。台湾でのデモなど、海外で起こることは気になったり、心が痛んでも、やっぱり“遠い国のこと“であることが多くて、日々の生活の中でテレビやネットで騒がれなくなるうちに意識の中から消えてしまうことが多いです。
でもミャンマーには、私がPHD協会というところで一緒に過ごした友だちがいて、毎日闘っています。それまでの日常が一変して、毎日デモをして、先も見えず、どんな気持ちでいるんだろうと心が痛くて、どうしようと思いつつも、でも今まで見ているだけだった自分がいます。
先日PHD協会からきた会報に載っていたミャンマーの現状と彼女の「心の中、本当は悲しくて怖くて泣きたいです。でも私がやらなければ誰がしますか」という言葉で、情けなくも私もやっと動かなければと思いました。

多くの人が殺されていくこの状況は終わって欲しい。私としては単純に、友だちが身の危険に晒されている状況は今すぐにでも終わって欲しい。
ただ、そんな状況でも自分の身の安全よりもNOと声をあげて続けているのは、自分たちの国の未来のためです。どうしたらそんな力が出てくるのだろと、平和な日常が当たり前の私には不思議なくらいの強さがあって、尊敬しかできません。そんな彼女たちが軍事独裁を既成事実としてしまわないよう、あげ続けている声を私も誰かに届けなければと思いました。

知ることしかできない、寄付することしかできない、と心苦しくもなりますが、私一人で終わらすのではなく、少しでも多くの人に知ってもらうことで、彼女たちの力になるのではないかと思って書きました。
彼女たちが少しでも早く落ち着いて生活できるように、思い描く自分たちの国の姿へ近づけるように、願います。

※PHD協会が立ち上げたミャンマー基金(https://PhD-Kobe.secure.force.com/)の案内を写真として添付しています。ご支援いただける方はぜひ、よろしくお願い致します。

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※PHD協会
http://www.phd-kobe.org

※PHD協会の会報
http://www.phd-kobe.org/wp/wp-content/uploads/2021/03/PHDLETTER146web.pdf

#StandWithMyanmar
#SaveMyanmar


猿に作物を荒らされています(妻バージョン)

2020年08月25日(火) 2号のつぶやき

毎日暑いですね。連日、最高気温にビックリです。
でもお盆を過ぎて黒田では朝晩秋の気配を感じるようになり、1日の中で夏と秋が行ったり来たりしています。

この間、夫も農園日誌に書いていたのですが、この春から夏にかけてのあらい農園は猿のことで頭がいっぱいでした。
私にとってここまでの獣害の被害はほぼ初めて。今までハウスは獣害の心配もないし、虫の被害もマシで、私にとってとても安心感があるところでした。そのためビニールを破って猿が入ってくるなんて、考えてもいなくて、どうやっても守れない…と絶望でした。お客さんにお届けできない…というショックがとても大きかったです。
そして食べたものをハウスのビニールの上に投げ捨てていたり、食べ方がまた腹が立つのです。私が横のハウスで作業していても全く気にもとめずにトウモロコシを食べていたり。見つけて追いかけてか行くのですが、山の方へ行って、そこからこちらを見てきます。爆竹を投げても届かず。猿もそれをわかっていて、余裕綽々です。そして私たちが帰るのを山から見て待っているのです。帰ったら猿がハウスに入ってトウモロコシを食べに来るのがわかっていながら、目の前にいるのに、何にもできない、もどかしいのと悔しいのと無力さを痛感させられました。野生動物にはやっぱり敵わないなぁ…というのが私の率直な感想です。

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そんな猿との闘いが続いて、夫婦の会話も娘のことか猿のこと。
私は捕まえる=殺すということになるので、どうにか棲み分けができればいいなぁと思います。こうして山から降りてくるのもきっと大元は人間のせいじゃないかと思ったり。夫は捕まえて復讐したいと言っていましたが、そんな気持ちで命を奪ってもいいのだろうか、できれば夫の罠にはかかって欲しくないなぁと思っていました。
これまでお世話をしてきた時間や気持ちが無駄になってしまったことは、私はあまり気になりませんでした。猿のせいだけでなく、台風や暑さや自分たちの失敗などなど、今までしてきたことはなんだったんや!ということはよく起こって、それに対して慣れてしまったのか…。とうもろこしをお届けできないことでお客さんにはご迷惑をおかけしていて申し訳ないのですが、私にとってはとうもろこしの分の売上がない、くらい。だからか、捕まえて復讐したいとは思わなくて、棲み分けができればいいなと思いました。
一発、爆竹が当たって、(爆竹は当てたい!と思って投げています。これは復讐心かも…?)人里が怖いところになって、山の奥で生活しておいてくれたら。時々食べに来ることはあっても、少しだけ食べて、お客さんに届けられる分は残しておいてくれたら。そんな聞き分けのいい、人に都合の良い猿になってくれたら。

でもそれはすごい理想論で、本当にそれを実現するにはきっと、とてつもない時間と労力とお金を使わないといけなくて、何よりまずどうすればいいか考えないといけなくて。そんなことをしているうちにトウモロコシは食べ尽くされて、次はトマト、パプリカ、冬のブロッコリーやキャベツ…と被害がどんどん出てくるだけです。となると、捕まえるしかないような気がするのですが、それを認めたくない自分がいました。どうにかして捕まえて被害を食い止めたい、と必死の夫の思いに共感できず、険悪なムードになることも…。

でも夫と話していると、猿はダメで、ゴキブリはよくて、蚊はよくて、ネズミは…と生き物の命に勝手に優劣をつけている自分に気づかされました。生きている中で、お肉も食べるし魚も食べるし、蚊もパチンとするし、どこかで線引きしているのですが、それを突きつけられたような。食べる(生活する)と考えた時に、食するではなくても生活する上で必要な殺生もあるのか…?とか。

そして一番せこいのですが、もし今、誰かが捕まえて、もうこれ以上被害が出ないとなったら、私は喜ぶと思います。自分の見えないところで知らないうちに終わってくれていたら。それこそが私の一番の願いなのかもしれません。お肉も毎回自分で屠殺してお肉にして食べないといけないとなったら、もしかしたら簡単には食べなくなるかもしれません。(一頭の鹿を仕留めたら結構な量のお肉になるのですが…!)誰かが見えないところで屠殺してくれて、精肉してくれて、パックに入っているから、私は気軽に買って食べられるのだと思いました。そんな自分の汚いところが見えて、嫌になったのですが、それでもまだ捕まえるのをよしとできず、棲み分けが…と理想を言いたくなります。だからと言って人任せにしていては、どうにもならないし…とぐるぐる回って答えも出ず、結局日々の生活の中で思考停止です。山間部で農業をしていく中で獣との関わりはきっとなくならないし、頭の片隅ででもぐるぐると考え続けなければいけないなぁと思います。

と、言っていたら、少し前に役所の方々が大きな檻のような罠をしかけてくださいました。それ以降、なんと被害が出ていません!警戒して今は来ていないようです。根本的な解決にはなっていないのですが、ひとまずとうもろこしが収穫できました!嬉しい…!こうなるとまた、見えないところで知らないうちにことが終わって、まぁいっか~という精神が出てしまいそうです…。

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