農薬を使わない理由

2017年08月18日(金) 考えごと

久しぶりの投稿になります、あらい農園1号です。

実はこの夏は、今までの夏に比べて仕事にそれほど追われる事がなく(失敗はしていますが)、色んな農作業をなんとか進めていけております。
もちろん完璧にこなせているわけではないのですが、例年のように仕事が後手後手にまわって、やらなあかん事で追われて常に心が休まらないという状況には陥っていないという感じです。

そんな事で、全くの言い訳ですが、このペースを崩したくないという気持ちを優先して日々を過ごしているうちにしばらく農園日誌を更新できていませんでした。

その間も色んなの事をボヤッと考えては、頭の隅にそのままにしていたのですが。

そのうちの一つ、農薬を使わない理由について。

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農業を始めた当初は、伏見区の向島という地域で農業をしており、その時はいわゆる慣行栽培という、農薬も化学肥料も除草剤も使用する栽培方法をしていました。

それから、今の京北の地に徐々に移動していったのですが、京北に来てからは一滴たりとも農薬も除草剤も化学肥料も使っていません。

使わない理由は、今も就農当初も変わらず「使いたくないから」です。
就農当初も、慣行栽培でしたが嫌々というか、「これ撒かんかったら虫だらけになって収入なくなるわ…仕方ない」という心境で農薬を散布していました。

なぜ使いたくないかと言えば、これはイメージでしかなく、「なんとなく」でした。「なんとなく」だったので、逆に頑なに農薬を拒絶する事もなかったのだと思います。
それが就農当初から5年以上が経った今、少しばかり理由が変わってきました。

それは、「農薬・除草剤を製造する会社に加担したくない」という感じになってきました。最近の自分の中での行動指針の一つに「買い物は投票」というものがあります。その商品を買うことは、間接的にでもその会社の姿勢を支持しているという気持ちです。だからと言って、まぁ別に絶対に買わない食べないってものもありませんが、例えば少し高くても添加物を少なくして作る和菓子を買いたいなぁくらいのもんです。

本当は野菜と関係のない場所の除草には、除草剤を撒いて雑草を枯らしてもいいのかもしれませんが、それでも除草剤を使う気にはなりません。
違うかもしれないけれど、「負けた気がする」からです。

でもだからと言って、除草剤を使用する人を別に悪く思いませんし、感覚としてはタバコみたいなもんかなと思っています。
自分は吸わないけど、友達がヘビースモーカーでも別にいいんです。

ちなみ化学肥料を使わない理由は、「美味しくならないから」です。これも主観ですが、今うちが使っている肥料を使えば絶対に美味しくなると思っているので使いません。
と言うと少々自信過剰になってしまいますが、農家はだいたいそんな感じで自分の野菜には自信を持ってるものですので、、。

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農薬というのは、結構デリケートな存在だなと思うところがあります。
と言うのも、京北でもだいたいの農家さんが農薬も除草剤も使用しているからです。近所の方もお世話になっている方もです。
例えば、農薬のよくない部分を書こうと思えばいくらか書けますが、それはあまりしたくないですし、特に田舎の細々と田畑を管理している方々は、除草剤を使用しなければ体力的に本当に管理ができないといったケースが大半だと思います。それぞれの立場で、正しいと思って判断しているので(無農薬で栽培するのも同様です)。

なので理由といしては、他の農家さんはどちらでも良いけれど、あらい農園では「使いたくない」から使わないという事になります。

ただ、これを言ったら「矛盾してるやろ!」っと言われそうですが、野菜の種にあらかじめ付いている農薬はうちではカウントしていません。

F1と呼ばれる一代交配種の種を使う事も結構あるので、それにはあらかじめ種の時点で農薬が付いている事があります。
F1種は良くないと言われる事があり、色々考えていますが、今はうちでは使っています。そのあたり自分なりの考えもあるので、また近々書いていきたいと思っています。

農薬も少し触れたF1種も他にも色々と、食べる人と作るこちらとで伝わっていない情報がたくさんあります。食べ物なので、もっと発信していく必要があるし、買う側の人もより厳しく、できれば価格だけじゃなくて安全性とかも、今以上に求めていって欲しいなと思います。

そうじゃなかったら、これからの日本の農業はちょっと心配な方向にいきそうなので、、これもまぁ主観ですが。

 

 

おぉぉ最後暗く終わってしまいました。

でも暗いけど、きっと大事だと思うから、1号はこれからも暗い話題を書いていきますよ!


道行く人に野菜を売る中で感じること

2017年08月12日(土) 2号のつぶやき 野菜を売ること

夏は、気づいたら野菜も草もぐんぐん成長してなんだかんだとバタバタしてしまい、
なかなかブログの更新ができていませんでした…!
ただ、今年は去年に比べて作業に追われすぎてなくて、
なんとか二人ともまだ倒れることなく仕事できています!ちょっと進歩♪

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突然ですが、私、2号は毎週火曜に”農家のおすそわけ市”として
パン屋さんなどの前をお借りして野菜を売っています。
先日、まだ来られたのが2、3回目くらいのお客さんから嬉しい言葉をいただきました!
それは「子どもがいるから、安心な野菜で嬉しい」です。
その言葉をいただいて感じたこと。

私は農薬を使わず、有機肥料で作った野菜を売っていたら、
そう思ってもらえるものだと勝手に思っていました。
でもそんなことはないな~というのをおすそわけ市をする中で感じていました。

ある時「向こうのスーパーではこれ100円やのに。高いわ~」と
わざわざ言いにきてくれる人がいました。
(その人には「じゃあスーパーで買ってください」て言ってしまいました)
道行く人や少し覗きに来てくれた人にも「薬使ってません!」
「有機肥料で作ってます!」と言っても何だかうまく伝わらないなぁと思います。
私の言い方もありますが、無農薬とか関係ないのかなぁと思って、
最近はあまりそれを言わなくなっていました。
野菜BOXとは違って、道行く人たちは、有機や無農薬に関心がある人ばかりでは
ないし、むしろ関心がある人はごく少数なんじゃないかと感じていました。
(もちろん、始めから無農薬ということを認めてくださり、ずっと買いにきてくれている人もいます!)
なので、あの「安心な野菜で嬉しい」という言葉は”無農薬の野菜です!”と売り出すことに後ろ向きになっていた私にとって、嬉しくもあり、意外でもあり、もっと伝えていってもいいのか…!と思えた言葉でした。

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確かに、農薬が何なのか、農薬を使うことはどういうことなのか、
有機肥料だから何がちがうのか、わからないなぁと思います。
そしてイメージ先行だなぁとも。
私も1号と出会う前、一人暮らしをしていた時は、
“野菜を食べる”だけで充分で、農薬のことや旬なんて気にもしていませんでした…
なぜ私たちが薬を使わないか、なぜ有機肥料を使うのかなどなど、
直接売るのだから、そこを伝えていくべきなのかなぁと思います。

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また、スーパーで買ういつもの野菜が、おすそわけ市で買うことで
ちょっとでも身近なものになればいいなと思います。
野菜に興味をもってもらえれば嬉しいなぁ。
「ネギはないの?」
「トマトはいつから?」
「このきゅうりはイボイボやね」
などなどお客さんからよく言われます。
おすそわけ市ではその時に作れるもの、とれるものしか売れなくて、
野菜が少ない時には終盤には商品は大根だけというようなことが
あったりもして、よくも悪くも”旬”を感じずにはいられないところだと思います。
でも野菜の旬を知ることで、
なぜ旬じゃないのにスーパーではそれが売られているか、
旬じゃない時にはどこで、どうやって作られているのか、
野菜の裏側に目を向けるきっかけになればいいな~と思います。
また、同じきゅうりでもイボイボのものと、ツルツルのものがある中で、
なぜスーパーではツルツルのものが多いのか(流通しやすいため)などなど、
それが売られている理由や背景があることに気づくきっかけになったら嬉しいなぁ。

そして、それが野菜だけじゃなくて、魚や肉だったり、調味料や洗剤だったり、
全てのものに広がっていったらいいなぁ~と
ちょっと偉そうですが、そんなことを思ったりします。

そして、更に新鮮だから、美味しいから、無農薬だから、だけじゃなくて、
作っている私が直接売るということの中に、
もっと何かしらの魅力を生み出していけたらいいなぁと思います。
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