野菜の振売

お客さんの声を直接聞ける、大切な場。
たいへんだし時間もかかるけど、やめられません。

京都の伝統 振売

京都では昔ながらの、農家の振売(ふりうり)が今も行われています。
朝採れた野菜をトラックの荷台に乗せて町を回り、
「こないだのお茄子、炊いたらほんまに美味しかったわぁ」
「今日はええ小松菜があるよ、おひたしにしたら最高よ」
こんな風にあちこちで会話に花を咲かせながら、
賑やかに野菜を売り歩きます。

長い付き合いになるとお客さんの好みや家族のこともわかってきますし、
「来週出かけてるし悪いけど玄関に入れといてくれる?」なんてことも。

軽トラ八百屋の想い

振売は、決して効率の良い売り方ではありません。
炎天下の下を何時間も売り歩いて売上は数千円なんてこともありました。
でも、自分が大切に育てた野菜を、コンテナに積んで市場に出荷するのではなく一つひとつお客さんに直接手渡せるというのは、農家にとってこれ以上ない喜びです。最初に振売に行った時のことは、今でもよく思い出します。

ほうれん草だけを軽トラに積んで知らない町に飛び込み、一軒一軒ピンポンを押して回りました。その時に買ってくれた方々がご近所さんに紹介してくださって、お客さんが増えていきました。振売のお客さんから色々なことを教わったし、いつも励ましてもらっています。