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農業を始めた頃からしたかった事

あらい農園1号(夫)です。

農家になってそろそろ7年が経過しようとしています。
この冬から新たな事業と言うと、カッコ良すぎなのですが、「焼き芋屋さん」を始めようと思います。焼き芋屋さんは昨年の夏頃、台風21号のかつてない被害を受けて、なんとか経営を回復せねばと思い立ったものなのですが、その焼き芋の販売を通して、「寄付」を始めます。

どういう事かと言うと、

あらい農園の焼き芋をお買い上げ頂いた方に、300円ごとに50円分の寄付をして頂くという仕組みです。寄付先はあらい農園が選んだNPOや団体・企業などで、3〜4つくらいの中から選んで頂くという感じになります。

焼き芋を買うと、あらい農園を通じて寄付をするという仕組みになっています。

この「寄付」という方法は社会貢献の一つの手段なのですが、僕は農業を始めた頃から、何か仕事を通じて社会に役に立つ事がしたいとずっと考えていました。それが今回「寄付」という方法でまずは始めてみる事にしました。

もしかすると安易で偽善的だと思われるかもしれませんが、それも承知で「寄付」から始めてみようと考えました。

きっかけは東日本大震災からです。
あの地震と津波の時に多くの人が犠牲になり、同時に多くの人が色んな形で支援に動いていました。その時僕はまだ農業研修生という立場で、お金もないし自分の将来も不安定な状態で、とても何か支援ができる状態ではありませんでした。100円でも失いたくないような感じでいて、何か自分も行動をするべきなんじゃないかと思いつつ、それよりも自分の不安定な今後のために100円を残しておきたいような状態でした。

まずは自分がちゃんとお金を稼いで自立できるようにならなあかん‼︎という気持ちでいっぱいでした。

その時くらいから、今は無理でもいつか自分が農業でもなんでも良いからしっかり自立できた時には、何かしら社会に貢献できる人間でありたいと思うようになりました。
それと同時に自営業ならそれがきっと出来るはずとも思っていました。

 

そんな気持ちを頭の片隅に置きつつ農業を7年間やってきまして、ようやく新たに焼き芋屋さんをするにあたって、その片隅にあった社会貢献したい熱を、焼き芋を焼く熱源にしようと思った次第です。

社会貢献とか、寄付なんていう言葉はよく聞くし、軽い感じもするのですが、一応自分の中では思う事があって始めてみようと思います、という事を少し知って頂けると幸いです。

 

また、こんな風に焼き芋を販売するという事を考えながら、その過程で思った事もあります。
まだ何もしていない自分が言うのもおこがましいのですが、この「焼き芋+寄付」みたいな販売方法が社会全体で増えていったらいいなと思うようになりました。

あらい農園の焼き芋販売では、寄付先の活動をパンフレットをお渡ししたりして、簡単にですが知ってもらった上で寄付先を決めて頂こうと思うのですが、その際にそういった活動をして世界を良くしたいと動いている方々がいる、という事を知って頂けたら嬉しいなと思います。

一つの買い物がほんのわずかですが、世界が良くなる力になったらいいなと思うのです。
目に見えない所の活動なので実感としては感じにくいかもしれませんが、「チリも積もれば山となる」の、そのチリになる事を気持ち良く思ってもらえるように、販売する側は頑張っていきたいと思います。

 

例えば、僕は買い物をする時に、その商品を通じて自分の知らない所で労働搾取や環境汚染などが行われているのなら、安くてもその買い物は良くないと思っています。
反対に、その商品を買う事で少しでも環境負荷が減るだとか、適正な労働環境が守られるとかなら、少し高くても勇気を出してそっちを買いたいと思います。

そこには、どうしてもお金の問題がついて回りますが、それでも可能な限り買い物の判断基準が、その商品ができる限り地球や世界に配慮をしている姿勢かどうかで買い物をしていきたいなと思います。

そして、その買い物が気分の良いものであるように、販売する側としてあらい農園なら焼き芋や野菜という商品で満足感を感じてもらえるだけの努力をしていく必要があると思っています。

じゃないと社会貢献をエサにして商売をしているだけ、と思われるのはやっぱり悔しいですから。

 

まずは、焼き芋から世界を変えたいなどと言うと、たぶん笑われますが。
あらい農園の焼き芋「やきいも畑」のロゴマークはサツマイモの葉っぱなんですが、サツマイモは芋ツルが次々に伸びて葉っぱを増やして成長をしていきます。「芋づる式」という言葉は詐欺とかよくない方で使われる事が多いですが、今回はそれが、

「寄付を通じて世界がほんの少しでも良くなって欲しい、その気持ちが芋づる式に広がっていくように。」

という気持ちでロゴマークができました。

この取り組みは、もしかしたら誰も賛同してくれないかもしれないし、知らない所で似たような事を始めてくれる方が増えるかもしれません。
とにかくあらい農園では、そうする事が自分たちにとっても販売をする原動力に Continue reading