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台風一過

2017年09月22日(金) 2号のつぶやき

久しぶりにガツンと台風がやってきました!
それまであまり気配を感じなかったのですが、
17日(日)の夜から一気に、”あれ、家飛ぶかな”と思うような風が吹いて、
夜寝る間際には初体験の避難勧告まで届き、ドキドキな一夜でした。
きっと畑もすごいことになっているだろうな…と
思いつつも行ってみると、予想通り、ナスは傷だらけ…。
風に揺られて、葉っぱや地面、ヒモに当たって、
1号曰く「拷問にあったやつや」という状態になってしまいました…

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でもこれはまだ、ある程度予想通りしていたことで、
予想外だったのが、きゅうりが誘引していたネットと共に風に吹かれて、
根っこから抜けてしまっていたこと。
遠目にきゅうりの葉が萎れているな〜と思いつつ
直前まで見て見ぬ振りをしていたのですが…
収穫しようと思っていたきゅうりの実もたくさん地面に落ちてしまっていました。
これはショックで、2人畑で無言になりました。

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といっても、起こってしまったことをあまり悩まない(考えられない)性格だからか、
畑の被害に対してはしょうがないな〜と私は割りきれてしまっています。
今後どういう対策したらいいかな、
どうしたら少しでも被害を軽減できるかな、
この傷ついたきゅうりやナスたちはどうしようかな、
と考えられるところが私にとって農業の面白いところだったりします。

台風がきてしまうのはしょうがないし、
どうにかできるものじゃないし、
どうにかしていいものじゃない気もするので、
台風がくるまえの対策や、きてからの対応に
知恵を絞っていかないとなと思います!


自然農というもやもやについて

2017年09月15日(金) 考えごと

あらい農園1号(夫)です。
ここ数ヶ月、よく考える事柄がありまして、あんまりまとまってはいなのですが書いてみようと思います。

そのテーマとは、ずばり「自然農」という事についてです。

自然農と聞いて、???となる人の方がもしかすると今は多いのかもしれません。
反対にこれに反応する人はきっと自然派な人なんだと思います。
もしくは、農家の人か。

自然農とはどういうのもかと言いますと、実は僕自身もよくわかってないし、そもそも定義なんてないような感じだと思っているのですが、簡単に言うと一番特徴的なのが「無肥料栽培」と「固定種」が基本的な考え方で、それ以降の細かい農法については農家ごとに違っています。もちろん無農薬です。

無肥料栽培については、これまで当たり前とされていた「肥料を与えて作物を育てる」のではなくて、肥料というものを人間が意図的に畑に入れなくても、作物は土の状態や様々な環境の元で、力強く育っていくという事です。

固定種というのは、現在の多くの野菜の種が一代交配と言われる1回限りの収穫のための種であるのに対して、固定種の種から栽培した作物のその種を採種してそれを播くと、同じ形質の作物が育つ種の事です。

詳しく色々と書くと長くなってしまうので、ここでは書きませんが、一代交配にはその種を生産する過程において、「雄性不稔」という問題があると言われています。
すごーく、簡単に言うと男性不妊の原因になっているという話があります。

世の中の多くの事がよくわからない事だらけで、例えば薬だって注射だって添加物も砂糖も珈琲も、身体に悪いと言われたり、人体には害がないと言われたりしています。
個人的には、それはその人の体質によるんじゃないかい。と思うので、一概に安全だとか危険だとかは言えないと思っていますが、この一代交配種いわゆるF1種というのも実際はどうかなんてわかっていませんし、少なくとも僕はこの問題に関して「まぁ気になるならやめといた方がいいかなぁ」というスタンスです。

添加物も同じくです。

この種の問題に関しては、実は人の健康という問題とは別に、「世界の種を支配しようと企む世界的大企業」の怪しい話もあるのですが、それはまた気になる方はご自身で調べて判断して頂ければと思います。
と、一代交配種というのは、結構知ってる人の間ではなかなか微妙な存在です。
ちなみにたぶん日本で売られている野菜の99.9%以上は一代交配種です!
そして、あらい農園の野菜も全部じゃないですが一代交配種は普通に作っています。

最近は意識して、固定種も選ぶ比率が多くなってきていますが、でも大半はF1種です。

 

ここで先ほどの「無肥料栽培」に少しだけ戻りますが、基本的にあらい農園では肥料を入れて栽培していますし、むしろ「肥料で野菜の味が変わる!」と本気で思っています。種類とか量とかタイミングとか。。

でも肥料は、実は海外からの輸入に頼っている部分も多く、持続可能な農業かと言えば違うような気はします。
うちは資材もマルチと呼ばれるものをとってもたくさん使用していますが、それも石油由来で、使用後は産業廃棄物です。
マルチもF1種も肥料も、別にいくら使っても有機栽培と呼んでも良いのかもしれませんが、僕は最近このあたりの事を考えると、とても「オーガニック」とは言えないなぁ。。と思ったりします。
自然農をしている農家さんが、肥料の事、種の事を言うたびに、何か自分たちの農業のやり方が、まがいもの、と言われているような気分にすらなります。

中には、有機農業こそ安全安心なイメージがあるだけで、慣行農法(農薬も化成肥料も使う)よりも悪質だ。なんて記事も見かける事があります。

そんな事から、ここ最近この「自然農」という事やらあらい農園の農業について、もやもやっと考える事が多くなっています。

長くなりましたが、わかりづらかったかもしれませんがそんな理由で色々と考えたりしています。
まぁすごく簡単にまとめると、
「有機農業よりも、自然と身体に優しい自然農という存在がちょっと気になる」という感じです。
思うに本当に自然と人に優しいのは、自然農です。
じゃあなんで切り替えないかと言うと、それはもう「生活できる程の収穫量が採れるのか?」「より大変な分、価格に反映させて農業が続けられるくらいの売上が得られるのか?」という、まぁはっきり言うと、お金の問題です。
無肥料栽培はおそらく肥料を撒いて栽培するよりも大変です。
肥料を使用した有機栽培でも大変なのに、それよりも大変で、さらに収量も上がらないと聞きます。
固定種の種は魅力的ですが、一代交配種の種は固定種に比べるとやっぱり作りやすいし、固定種にはない特徴を持った野菜が育てられます。(糖度の高いスイートコーンなどはその代表です)
あらい農園は今6年目ですが、おかげさまでなんとかこの先も頑張れそうな経営状況になってきました。でも2、3年目の本当に苦しかった時期も経験してきて、決して楽ではなかったと思うので、自然農がそれより大変ってそれは…食べていけるのか。。

と思うのです。

実際にそれで農家として生活している方もいらっしゃいますが、それは本当にすごいことだと思います。

 

けれど今から少しずつそちらの方向にシフトをうつして行くことは可能ではないかと思うので、そのペースは自分たちの気持ちと経営の状況を考えながら、無理のないようにしていきたいと思っています。

と言いつつ、引っかかるのは肥料の事で。

無肥料栽培は魅了的ですが、やっぱり肥料によって味をよく出来ると信じているので、固定種にはシフトチェンジする時もあるかもしれませんが、無肥料にはなかなか踏み出せないかもしれません。(1年後には変わってる可能性もありですが…)
「美味しい」という感情は人をほんの少しですが幸せにさせてくれると思っています。なので、有機肥料よりも無肥料の方が環境にも身体にも良いかもしれませんが、この「美味しい」の部分だけはたぶん有機肥料が勝るんじゃないかと思っています。

有機肥料もものによりますが。

味の面でも完敗やなって思う事があるか、もしくは本当に自分たちの中で今の農業のやり方への疑問が大きくなってきて、罪悪感でも感じようものなら、その時には無肥料栽培に本気でチャレンジする日が来るのかもしれません。

色々とまとまりなく、書き連ねましたが、まぁこんな具合にもやもやっと考えているという事を発信しようと思っていたので、良しとしよう!