月別アーカイブ: 2020年3月
久しぶりの投稿になりました。あらい農園1号(夫)です。
今冬は暖冬で非常に過ごしやすかったですね。ここ黒田では根雪になる年が多いのですが、今年は積もってもすぐに溶けたので、掘り残していた里芋やごぼう、人参などの収穫がとっても楽でした!
いつもならまず、作物が残っている畝の雪かきをしてから収穫とか、それ以前に家や周辺の道路の除雪をしてから出発みたいな日が多いものでしたので。今年も2日ほどは除雪で出動することもありましたが。
3月になりますので、これからは来年度に向けての準備も猛烈な勢いで進めていかねばなりません!野菜BOXのお届けは一旦お休みに入っていますが、畑作業はここからが勝負所です。毎年のように言っているかもしれませんが、うちは3月こそが1年の計だと思っています。3月に勢いよくスタートダッシュを掛けられると、夏くらいになってもなんとか仕事に追われすぎずに、頑張ることができます。
これが3月に冬の気分をそのまま持ち越してのんびりしていると、いつの間にやら春の耕運、植え付けラッシュと、田植えの準備と、更には毎週末のごとく地域の溝掃除などの行事に追われて、そのままできてない作業に追われ続け、気付けば冬野菜の種まきと準備になって、、、、。あわわわ、と言いながら過ごさなければいけません。それはとっても苦しい事なので、その前に先にしんどくても頑張っておく!という感じでやりたいのです。
そんな気分でいるのですが、昨今は自分の農業以外の事で何かと心が騒がしい毎日です。
コロナウイルスはもちろんなんですけど、それはもう自分たちがやることをしっかりするとして。日本の農業を取り巻く事、京北の地域の未来についてなど。とても手に追えんような大きな問題についてあれやこれやと日々悩んでおります。
簡単にご紹介すると、
京北の農地の今後の事、種苗法とか関税とか農地法とかの国の政策的な事、北陸新幹線が京北を通ること。
全部大きいことなんですが、どうしたらいいんやろう。。と3号(娘)が寝付いてから夫婦で話したりしています。
国の農政の事と、北陸新幹線の事は、国レベルの話ですが、零細農家にとっては風向きによってはとてつもなく厳しい展開になったりもしそうです。
新幹線なんて、大きな公共工事が初めて自分事になっています。例えば沖縄の基地問題とか、どこかのダムの建設とか、リニアの工事とか、今まで自分にとっては対岸の火事でしかなかったのですが、今回は「あれ?自分の敷地で出火してるやん!」という寝耳に水状態です。
最悪の想定は新幹線のトンネル工事で5年間?絶え間なく、トンネルを掘った後の土砂を運んだダンプが家の前の道路を走り回るという。家の前には道路1本しかないので、トンネル工事個所と残土の捨て場の中間に黒田地区があってしまうと絶対そうなります。
そんな環境で誰も暮らしたくないですよね?
でも、そんな状況になるかもしれない。
5年我慢したらタダで新幹線乗れるわけでもなんでもなくて、わざわざ京都駅まで行ってから普通に新幹線乗るしかありません。なんのメリットがあるのでしょうか。デメリットやったらたくさんあるのですが。。。
でも考えてみると、最近亀岡に新たにできたサッカー専用スタジアム。僕にとってはあれは最高なんです!待ちに待ったスタジアムです。でもあれだって長い事反対運動もあったし、サッカーに興味のない亀岡の人からすると何のメリットもないし、むしろ環境破壊で生活にも支障でるし税金の無駄使いで、ただの犠牲でしかないと思っているのかも。
リニアや新幹線の事と同じかもしれませんね。早く移動したい人にとっては最高!かもしれませんが、線路が通る地域の人にとっては大好きな自然がただただ壊されると感じている人もいるという事ですね。
でも、なんとなくですが。小さなささやかな幸せとか自然とか、お金にならないようなことは、「より便利に、もっと快適に」という力の前には、負けてしまうのかなと思ってしまいます。今の日本では。
農業の政策面でもそんな感じに思えます。小さな農業より輸出で稼げる農業へ!みたいな雰囲気というか。
スマート農業とか言うけど、その機能何百万円ですか?という気持ちになります。
お金にならないけど、助け合いの中で自然とか田舎の風景を守ってきたのは、その地域で細々と暮らしてきて人たちですよね。
そういうのは時代遅れなんでしょうか?
という気持ちでこれからの農業や地域の未来を憂いています。これは僕だけじゃなくて、農業を、地域を、大切に思っている人の中にたくさんいると思います。
種苗法の話は、ちょっとまだ勉強中なので、またの機会に書けたらとは思うのですが、これも大切な問題です。僕の目から見ると、食の安全が脅かされていくなぁと思います。偏っているのかもしれませんが、でも個人的にはそう思っています。良ければ検索してみて欲しいです。
いろいろと、なんだか暗い内容になりましたが、まぁ基本的に根暗なのでご了承ください!
でも、こういう事これからもうちょっと書いていこうかなと思うようになってきました。(次がいつのなるかわからんけど!)
意見を表明するのはすごく勇気がいることやなぁと、新幹線の事を知ってから改めて感じました。波風が立つのは避けたいし、できれば誰にも嫌われずにいたいというのが田舎に住んでからすごく強くなっていました。農業は地域にお世話になりながら、助けてもらいながらやっていけるものですから。
でも、今の状況とか考えると、「これ、このまま進んでいったらあかんのちゃう?最終的に面白くない感じになってしまうやん」て思う事だらけです。
良くないと思っているのに自分の状況や立場が大切だから守りに入るのは、「保身」というやつな気がしてきました。それ今の一部の政治家と同じやん!かっこ悪~、だっさ~!です。
最終的に自分に返ってくかもしれないし、何よりも自分で自分をダサいとは誰だって思いたくはないですよね。
それやったら勇気がいるけど、変えられないかもしれないけど、少しずつ行動をしていくべきなんでしょう。自分のためにも。
それと、これは本当に個人的な事ですが、娘が生まれてから最近1歳になりました。と同時に僕も父親1歳です。やっぱり良い未来を残していってあげたいなと心から思うようになりました。
それと自分の子どもだけじゃなくて、自分より立場や年齢が下の人には優しくありたいなと思うようにもなりました。
それは黒田に来てからですが、僕らみたいな若者の意見をくみ取ってくれたり、知らぬところで支えもらったり、優しく声をかけて接してくれたり、損得なしで助けてくれたりしてもらう中で、自分もそういう人間になりたいと思うようになってきたのかもしれないです。
自分の立場やお金のためという価値観とは真逆にいる人を本当に尊敬できるようになりました。
なので、僕はまだ34歳ですが、そういう練習を積み重ねていって、自分もそういう人間になりたいと思うのです。
その一つが、間違っていると思うことは勇気を出して発信していくという事。
それは自分のためじゃなくて、常にこれからの未来の人たちにとって、という軸をもっていきたいです。