インドネシアの研修生を受け入れて

2016年09月27日(火) 考えごと

神戸にある公益財団法人PHD協会から
インドネシアの研修生が1週間、農業研修に来てくれました!

本題からずれますが、
PHD協会について、少し説明させてもらいます。

PHD協会は私(妻)が以前お世話になっていた団体で、
ネパールやインドネシアなど、アジアの村から青年を日本に招き、
農業や保健衛生、地域組織化などの研修を行っています。
物やお金じゃない支援の形で、村の人たちが自分たちの力で
生活や村をよりよくしていくための支援を行っています。
研修生は1年間、日本各地の農家さんや保育所、保健センターなどで
研修を行い、村での活動に生かすべく、知識や経験を積みます。
日本での生活の中で、日本の問題点に気づいたり、
自分の村の足りないところだけでなく、いいところに気づいたり。

日本のようになること、日本人が考える発展ではない、
その国の人たちらしい発展をすることを支援しているところが
私の理想の”国際協力”だなと感じます。
そして、私は私の場所をよりよくするために
頑張らなければと思わされます。

と、思いが溢れてしまいましたが、
そんなPHD協会の研修生として今年度1年間、
日本で保育や保健衛生の研修をしているリンダさんが
「農業の勉強もしたい」ということで、あらい農園に来てくれました!!

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しかし、
9/18(日)から24(土)までの約1週間来てくれていたのですが、ずーーーっと雨。
稲刈りも一緒にできたらと思っていたのですが、それも雨で中止…。
結局、収穫と出荷作業以外ほとんどできませんでした。

そんなこともあり、農業研修として簡単に受け入れてしまったのですが、
リンダさんにとって、ここでの研修がどんな意味をもてるのか、
私たちが何を伝えられるのかと考えさせられました。
ただ、今は、技術的なことはまだまだ難しいですが、
日本の一農家としての現状やこの地域のこと、
生活のことなど、知って感じてもらえたらいいのかなと思ったりもしています。

そして、日本語が話せるリンダさん。
“まち”と”村”の違い、宗教について、野菜のことなどなど、たくさん話をしました。
知らない人だらけの”まち”より、みんな知り合いで、お互い話ができる”村”がいいと言うのが、
4月から黒田に住むようになって私が実感していることと重なり、すごく共感。
仕事が忙しくてなかなかゆっくり話せなかったりもするのですが、
近所のおばあちゃん、おじいちゃんがよく家に寄ってくれ、
話をする関係があること、私はすごく好きです。

また、リンダは子どもができてから、キレイな野菜が怖くなり、
自分で薬を使わずに作った野菜を食べたいという考えが生まれたそう。
有機農業で野菜を作っていながら、なぜ薬や化成肥料を使わないのか、
明確な答えが自分の中にまだみえてない私にとっては、とても印象的な言葉でした。

そして、うつ病についても研修したことを教えてくれ、
日本人の働き方についても話が広がり、
「幸せてなんだろねー」という話にも。

生まれ育った環境や宗教が違うリンダと話すことで、
気づいたり、改めて考えるきっかけをもらった気がします!

なにより、
夫婦2人だけのときとはまた雰囲気がガラッと変わって、笑い声がいっぱい。
2人だと煮詰まってしまうときもあるのですが、それをズバッと吹き飛ばしてくれました!

 

ではここから僕(夫)の感想も少し。

最初は、1週間も知らない人が家にいることには負担だなぁと思い、あまり乗り気ではありませんでした。
けれど、就農してからこれまでずっと、農業で生活をしていくこと=しっかり経営を安定させることばかりを考えてきて、それがいつしか極端な言い方をすれば、お金のための農業になっていたところもありまして。

それを是正するためにも、ここらで新しい事にも目を向ける必要があるんじゃないかと思い、リンダの受け入れに同意しました。

リンダはとても明るくて、仕事も真面目にするので、知らない人と一緒に生活を共にするストレスをあまり感じなくて、その点はすごく助かりました。

農業を教えるというよりは、反対によい経験をさせてもらったと思います。

日本語が話せる外国人と接する事はこれまであまりなかったので、色んな事を話せた事は本当に良かったと思います。

イスラム教のインドネシアの人も、まぁだいたいの感覚は同じだなぁと思いました。
それは、「きっと世界中の人は、そんなに違わない」というのを少し実感できたようで、世界が少し広がったように思います。

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それとやっぱり農家としては特に
「オーガニックの野菜を子どもに食べさせたい」という言葉は、嬉しくなりました。

無農薬にこだわって野菜を作っていると、本当に、お母さん方にはそう思って頂きたいなと思いますし、食べ物をつくる立場としては、食べ物が大事だと思って欲しいのは当然なので。
「あなたのしている仕事はとても大事なこと」と言われている気にもなるので、そんなお母さんに会うと、やっぱり嬉しいです。それがあらい農園の野菜でなくても。

リンダも遠く知らないインドネシアの村で、そんな事を考えていたということが、ただ嬉しい気持ちになりました!

 

おっと長くなりました、、。
まとめるとですね。
お金や経営や効率化やら、そんなことばかりを考えてないで、違う事をしてみると、そこには新しい発見があるなぁという感想です。

それはこれから歳を重ねる中で、とても大切な事だなぁと思いました。
それを気づかせてくれた、妻とリンダには感謝ですね。

夫の感想でした!

長々と書きましたが、
いつもと違ったあらい農園の1週間でした!

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