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農薬を使わない理由

2018年03月14日(水) 2号のつぶやき お知らせ 野菜を売ること

少し前までは、びっくりするくらいの冷え込みだったのが、
最近は暖かい日が続いてますね。
あんなに大きくならないなぁと
待ちに待っていた葉物たちがぐんぐん大きくなって、
そして一気に花芽をつけ始めました。
今まで冬ののんびりモードだったので、
ギアチェンジしないと!と気ばかり焦っています。

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先日、ホームセンターでたまたま『ネキリムシ退治』と
書かれた農薬が目につきました。
ネキリムシは野菜の苗の茎をかじってしまうヤツです。
私たちも去年、空豆の苗をたくさんかじられました。
去年は種をまいて育てている最中からネズミに食われ、
やっと大きくなって畑に植えられたと思ったらネキリムシにかじられ、
見るまに萎びていく空豆を見て悲しかったり、やるせなかったりしました。
なので、この薬でそれを防げるのかと思うと、
すごくありがたいもののような気がしました。
お客さんに届けることができなければ何もなかったことと同じで、
野菜を売って生活をしている私たちにとっては、
野菜がきちんと育つことは大事なことです。
特に豆は旬が短くて、その時だけしか届けられないものだからこそ
思い入れも強かったりします。

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じゃあ、なぜ農薬を使わないんだろう…と
以前から自問自答していた疑問が出てきました。
(無農薬ということだったり、味だったり、私たちの野菜の価値を
認めて買っていただいているお客さんがいてくださることは大前提です)

無農薬で野菜を作っておられる農家さんは環境のため、
安心安全のためなど、それぞれに色々な理由、信念をもっておられます。
1号は以前に農薬を使っていたこともあって、
農薬を使った時に感じた嫌な気持ちがあると言います。

じゃあ私の理由は何なのかなぁというのがずっと私の中のもやもやでした。
頭の中での理由は色々とあるのですが、
私のジブンゴトの理由は何だろうと。
今回気づいたのは、そうして薬を使って虫たちを
排除するような人になりたくない、という答えでした。
ネキリムシ退治の薬をまいたらネキリムシがいなくなるかもしれない、
空豆は元気に育ってくれるのかもしれない。
でもそれはそれで恐ろしい気がしました。
自分にとって都合の悪い存在を簡単に
ペッとなくしてしまう人になりたくないなぁ。
畑の小さな世界ですが、それを続けていくことで、
ゆくゆく自分の周りの大きな世界、人間関係でも
都合の悪いものを排除をしてしまうような人になるかも…と思ってしまいました。
私の農薬を使わない小さな一つの理由はそれなんじゃないかと
自分の中にスッとおちたように思います。

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と、スッキリしていたつもりだったのですが、
先日植えた空豆やえんどう豆がまたもや何者かにかじられていました…。
よく見ると虫がいて、それをすぐさま潰している自分がいました。
農薬を使うのと自分の手で殺すのと何が違うだーと再び自問自答です…!


今さらながら2017年をふりかえり…

2018年01月04日(木) 2号のつぶやき お知らせ 野菜を売ること

あけましておめでとうございます!
昨年は本当にお世話になりました。ありがとうございました。
2017年のふりかえりを書こう!と思っているうちに新年になっていました…。
こんないつもドタバタな私たちですが、今年もよろしくお願い致します。

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今さらですが、2017年を振りかえると、
農家2年目の2号にとっては野菜を通して人と繋がれた年でした!
おすそわけ市で自分で直接売る機会を続けてきた中で、
顔見知りの人が増えてきたり、毎週買いに来てくれる人がいたり、
これまで以上にたくさんの人と繋がることができました!
週一回お客さんに会えるのが嬉しくて、
野菜のことだけじゃなくて天気のことや、なんやかんやお喋りするのも楽しくて、
元気や優しい気持ちをもらっています。
雨の日や寒い日、暑い日、私が立っているだけで「頑張ってるね~」と
声をかけてくれるのですが、そんな日でも毎週わざわざ
買いに出て来てくれるのが本当にありがたいなぁと思います。

「こないだのあれ、美味しかったよ」と言ってくれる人もいて、
毎日ご飯が美味しいのが幸せやなぁと思っている私たちにとって、
家で食べる日常のご飯を美味しくできるのは
幸せをたくさん作り出せるのではないか!とさえ思わせてくれます。

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でもその中で、頭にずっと引っ掛かっていたのが、
“美味しい”て何だろうということ。
“美味しい”にこだわって作りたい、”美味しい”を提供したいと思うのですが、
じゃあその”美味しい”はどこからくるんだろう。

お客さんと接している中で思うのは、”これはどんな味かな~”と
野菜に興味をもって食べてくれるのが大きいなぁと思います。
そこで”うーんいまいち…”となることもあると思いますが。
何はともあれ、野菜に意識を向けてくれているからだなぁと思います。

そして”美味しい”には色々ある。
先日、ある農家さんの人参と私たちの人参を食べ比べてみたのですが、
味が全然違う!とてもすっきりした甘さで食べやすい人参と
自己主張の激しい人参、こんなに味が違うのか…!と衝撃的でもあり、
ただどちらがいいかは食べる人次第じゃないかなぁと思ったり。
“美味しい”には色んな形があるんだなぁと実感しました。

そしてもちろん”美味しい”ための栽培面での技術や工夫があって、
色々な農家さんが、こだわりをもって作っておられます。
私たちにとっては、1号がよく言うのは肥料。
でも同じ肥料を使っても、味も見た目も違うものができます。
こないだはびっくりするくらい苦い葉物ができました…。
土や気候、肥料の入れ方、種を撒く時期、収穫する時期、保管の仕方などなど
色んなことが関わり合ってるのだろうと思います。
いつもベストな物をお届けしたい!と思いますが、
今の私たちはまだまだ及ばないところがあります。
“美味しい”以前にちゃんと育たないことも…
“美味しい”野菜を作るために、肥料に加えて、
自分たちなりの”美味しくなる技術”を積み重ねていきたいなぁと
2年目になり農業に慣れてきた中でそうした思いが強くなってきました。
今年の課題の一つです!

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また農業をするようになって、添加物のこと、肉を食べること、
農法のこと、お米や大豆、麦の種や農薬の残留基準に対する国の動きなど
“食”に関する情報をよく目にするようになりました。
農業をしてなかったらきっと私は知らないままやったんじゃないかと
思うことがたくさんあります。
国が決めることで大きく変わっていってしまうかもしれない、
もしかしたら知らないうちに変わっていたことさえ
気づかないままやっただろうなぁ。
そしてそんな流れの中で、”美味しい”だけじゃなく、
種のこと、農薬のこと、環境のこと、そうしたことに対して
自分なりのこだわりと信念をもって実践されている農家さんが
たくさんおられるということも知りました。
そんな方々を見ていると、私たちはこれでいいのか…と思ったり、
気持ちばかり焦ったり。私たちはまだまだ野菜を作ってお客さんにお届けする、
地域の農地を管理する、ということに手いっぱいなところがあるので。
でも、継続できなければ意味がないとも思うので、
自分たちのペースで、自分たちなりのやり方でちょっとずつ、
できることからやっていきたいなぁというのが
ざっくり、漠然としてますが、今年の目標です!

みなさま、今年もどうぞよろしくお願いします!