ブログカテゴリ:野菜を育てること

冬野菜の収穫までの道のり

2015年09月12日(土) 野菜を育てること

9月になりまして、もうすっかり秋めいていますね。

例年なら、まだまだ残暑とも言う以前の真夏感のある時期だと思うのですが、今年は久しぶりに長く秋を楽しめそうな気配ですね。農家的にもこの涼しさは助かります。やっぱり季節は例年通りというのが、野菜作りをするには一番やりやすいと思います。

あらい農園ではすでに冬準備が始まっており、それも結構頑張って中盤戦まで来ております。

一番早くに蒔く人参はもう蒔き終わってますし、白菜やブロッコリー、カリフラワー、キャベツなどの苗を植える野菜も、先日の雨が続いた期間で、一気に植え付けました!

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植え付けた苗も雨のおかげで、水やりをせずとも根が土に活着して、少しずつ新しい葉を出してきています。
今年はマルチという畝を覆うビニールが台風の時に全て剥がされて飛んで行ってしまったので、こうして土が見えてる畝に直接植え付けています。

畝の肩についてるビニールはその残骸です。
これをしていたのは、雑草を生えなくするためなので、今回マルチがないということは、雑草と戦うという事になります!
写真の畝は鍬で雑草を削り取った後です。隣の畝の途中からは緑に覆われていますが、これは全て雑草で、これから除草をしていくところです。

雑草の葉によって土の表面が影になって、土壌の水分が保たれた状態になる点や、様々な生物が生息することで、逆に野菜が狙われにくくなるというメリットもあるのですが、反面その葉が野菜を隠してしまい生育を鈍らせたり、根から養分を横取ったりと、やはり悪影響もあります。

今回はコオロギの被害がかなりあるのですが、そのコオロギももとは雑草や草むらの陰に住み着いていて、そこから近くの野菜を食べにくるので、そういう点でもあらい農園では雑草は極力取り除くようにしています。

この時期はまだ雑草も小さいですが、あっという間に大きくなってしまいます。雑草が大きくなると、抜くのも削り取るのも余計に大変なので、今のうちがチャンスなんです。

ここで、「まだもう少し大丈夫かな」なんて余裕でかまえていると、あと後で大変な思いをするということを何度も経験してきましたので、、。

ちなみにコオロギはまだ小さくて柔らかい野菜の茎を次々に囓り倒して行く、農家にとってはとてもやっかな虫です。
実はマルチの中にも住み着いたりして、そこに植え付けた苗を次々に食べていきます。気づいた時には植え付けたはずの苗がすべてなくなっている、、なんて事も大げさではなく、ありえます。

ここも無農薬の難しいところで、農薬があれば対処できることでも、それを使わないとなると様々な方法で時間もかかるけれど、それの対策を講じる事になります。

 

そんなわけで、これから冬野菜が大きくなって行く時期ですが、雑草もまだしばらくは伸びてくるし、コオロギもウロウロしているし、モンシロチョウも蛾も卵を産みつけにきます。
防虫ネットもしっかり設置をして、寒くなるまで野菜をガードしていかなければなりません!

まそしてまた、この地域は冬になると鹿や猪が畑の野菜を、これでもかと狙ってくるので、今度はそちらも油断なりません。

夏も大変ですが、冬もそんなこんなで色んな仕事があります。

ですが、この地域は寒さが厳しく雪も積もるので、その分野菜が甘くなります。
ほうれん草なんかは本当に湯がいて味付けなしでも十分に甘いものが採れます。

そんな事を考えると、今年こそはたくさんの種類の冬野菜を収穫できるようにと、気力が湧いてきますね。


冬野菜の準備が進みません。

2015年07月23日(木) 野菜を育てること

今日もシトシトと雨が降りますね。

せっかく予報では台風後は晴天続きとなっていたのに、これではなかなか仕事がはかどりません。。
仕事というのは、冬野菜の準備のことで、種まきはハウスなどで蒔いて、苗も育っているのですが、これからその苗が大きくなった時に植え付ける畑の準備が全然進みません。

あらい農園では、除草剤を一切使わない栽培方法をしているので、いかに草との戦いを避けるかに重点を置いた栽培をしています。
その一つにマルチと呼ばれるビニールを肥料がすき込まれた畝に被せるという方法があります。また、その畝と畝の合間の通路にも草が容赦無く生えてくるので、そこも防草シートというものをひいてしまいます。
畑なのに土が見えない状態にしてしまうので、少し味気ないですが、本当に草はやっかいで、適度な草なら良い効果もあるのですが、そうは言ってられない程の草が生えるのです。

まともに戦っていては、野菜の世話が一切できないくらいになるので、戦わない方法を模索しています。
これは除草剤があれば、そこに植わっているもしくは種を蒔いた野菜には抵抗性のある種類の除草剤をかけてしまえば、簡単ではあるのですが、それはしたくないのでしません。
以前は市場出荷用の野菜は慣行農法で栽培もしていたので、例えばほうれん草は種を蒔いたあとの、ほうれん草の属するアカザ科には抵抗性がある種類の除草剤を畝にかけていました。そうすると、ほうれん草は発芽してくるけれど、他の種類の雑草は一切生えてきませんでした。

これが無農薬だと、同じように蒔いてから、その度ほうれん草の列の間を鍬か小さい専用の機械を通して、除草作業を行うことになります。または、あらい農園でもしているのですが、太陽熱消毒という事をします。

これは、あらかじめ肥料を入れて畝が作れている状態のところに、少し水分が含まれている状態の時にマルチと同じように、透明なビニールをピッタリと被せて密封するというやり方です。
こうすることで、真夏の炎天下では、ビニールの内部の温度が高くなり蒸されて、草の種も菌も死んでしまい、一定期間後にそれを剥がしてから種まきをすると、その畝には新たに蒔いた種しかいないことになるので、草が生えてこないようにできるという技術です。

とても手間だし、マルチも透明ビニールも突風が吹いたら吹き飛ばされてものすごく面倒くさいことになるのですが、こんな手間をしてでも、後あと雑草と戦うことに比べたら楽だと思うので、今はこの方法をメインに栽培をしているというところです。

 

この作業を今さに冬野菜のためにしなければならないのですが、この雨続きで土がぬかるんでおり、トラクターなどの機械が畑に入れずに一向に進みません。。

早く晴天が続く日になって欲しいものです。

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