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それでも農家で良かったという話

2019年08月20日(火) 考えごと

あらい農園1号(夫)です。
久しぶりの日誌になりました。

京都では8月16日の五山の送り火が終わると、もう夏の終わりなんて言うのですが、今年はその通りに真夏のピークが去ったような雰囲気がしてきました。

今年は世間ではお盆休みが9連休とか10連休とかでしたが、この時期の農家は20連勤とか当たり前に毎日ヘトヘトになりながらの日々です。

この夏は例年と同じかそれ以上に、農作業のやらなあかん事に追われて追われて、心身ともにタフな毎日を過ごしていました。

世間がお盆休みで、京北に流れる上桂川にはBBQを楽しむ人々がたくさんいました。そんな人を横目にまだ暗いうちから働いて、夕方暗くなるまで働いてる農業という仕事。

久しぶりに、この仕事は何なんだろう…、と考えたりしました。
確か、自分は夏が好きで冬が嫌いだったはずなのに、夏らしい事など一つもできてない‼︎

このまま一生、夏は毎日必死に働きながら過ぎ去るのを耐える事になるのか…、などと大げさに考える事も。。

でも、するべき仕事は山積みなので、今は目の前の毎日をとにかく頑張るのみ‼︎と自分に言い聞かせる毎日でした。
なんだかんだ言ってやっぱり8月は厳しい季節です。春野菜の片付け、夏野菜の収穫・管理、冬野菜の準備・種蒔き。。そして猛烈な勢いで伸びまくる草刈り。

現実逃避をして舞鶴とかに釣りに出かけたりしたいのですが(釣りは超初心者ですが、あのゆったりした時間が好きなんです)、ここで逃げると冬に別の意味で泣くことになります。
なので、気持ちを強く持って毎日を乗り越えなければなりません!

昭和生まれなのでやはり根性論的なものが根強くあって、この繁忙期の最中、
「やっぱり大事なのはメンタルやな」と思いました。
体調がいまいちの日がたまにあるのですが、そこで気持ちが弱気になると、ほんまに心身共に負けてしまうので、そんな時はあえて、やらなあかん事だらけや‼︎と自分に再確認をさせて、無理矢理メンタルをストイックな方向に戻す感じです。
毎日マラソンの35km地点を走ってるような具合ですね。

でも、これは今年で最後にしたいものです。

僕は農業を始めた時に、視野が狭いなりにどんな農業のやり方が良いのかを考えていました。
色々と考えたのですが、大変な農家のイメージである、朝から晩まで働き詰め。これは避けたいなと思っていました。

自分で自分の生き方を決めるのだから、そうはなりたくはないと!

しかし、今まさにそれになっております!笑

これは良くない!
忙しい中にも、もう少し余裕をもった働き方をしたいです。
これは来年の大きな課題ですね。

たぶん作付け量をもう少し減らして、無駄な作業を削る必要があると思います。
勢いまかせじゃなくて、ちゃんと丁寧にやる。とっても苦手な事ではあるのですが、ここは大幅に改善の余地があります。

 

そんな夏を過ごしております。
こう書くと、農家なんてやってやれん大変な仕事や‼︎
となりそうですが、一つ本当にこの仕事は良いなと思うところがありました。

それは、子どもと過ごせる時間です。

ヘトヘトになって帰ってきて、すぐに3号(はな,6ヶ月)をお風呂に入れるのが日課なのですが、たまにはゆっくりのんびり湯舟に浸かりたいと思いつつ、でもこの時間は本当に良い時間だと思います。
お昼に離乳食を食べる時、昨日は出来なかった動きが今日から急に出来たとか、お風呂を上がってからのリラックスタイムとか、毎日3号の成長を見ていられるのは、かけがえのない事やなと思います。

 

農家という仕事はたぶん時給換算したら300円とか、もっと低いかな?とにかく換算したらあかんくらいの仕事です。(あらい農園に限る)
そして、年間休日も数えたらあかんくらい少ない仕事ではあるのですが、それらのデメリットを全て吹き飛ばすくらいに、自分にとってこの0歳の娘といられる時間は何物にも代えられない時間です。

この仕事は一体何なんだ、とボヤッと思う毎日の中でこそ、これに気付けたのかもしれません。無理矢理探し出したとも言えますが。笑

この夏の、一番の収穫やな‼︎(どやっ)
そして、冬にはGWの分も含めて10連休×2回、必ず休んでやるぜ‼︎
というモチベーションが副作用で発症しました。

まだ、やらなあかん事山盛りですが、10連休を合言葉にまだまだ頑張ります。

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ラジオは農機具~佐藤弘樹さんの事~

2019年06月18日(火) 考えごと

以前にラジオを聴いていたら、どこかの農家さんからのメッセージが読まれて、「農家にとってラジオは農機具の一つである。」
という名言を聞きました。

あらい農園でも、作業中はほとんどラジオを聴いていて、基本的にはスマホのアプリを使ってFMを聴いています。
これまで行った農家さんの中では割とAM率が高かったのですが、うちでは断然FMです。

と、いきなりラジオの話をしたのには訳があります。

知る人ぞ知る、FM京都『α-station』のDJ佐藤弘樹さんが62歳で亡くなられたました。

月曜~金曜の朝7~10時の時間帯を長年担当されていて、僕たちにとっては、ラジオからその声を聴きながら農作業をするのが日常でした。
少し前から体調を崩して休まれていたのですが、、まだ若い年齢での事でショックを受けました。

会った事は一度もありませんでしたが、京都のラジオ局のDJさんなので、いつか見かけることが出来ると思っていたし、イベントがあると夫婦二人で「弘樹に会いにいく?」とかるく悩みながら、密かに直接姿を見る日を楽しみにしていたのです。
そして、金曜のボス・ザ・ゴールドという経営者と佐藤さんがお話しをするコーナーにいつかは出たい!と密かな目標も持っていました。
会った事がない人ですが、ずっとラジオ越しに声を聴いていたので、それがもう聞けなくなると思うと、とても寂しい気持ちになります。

ただ日課だっというよりは、夫婦二人ともが佐藤弘樹さんの事が好きだったので、本当に残念です。

個人的には佐藤弘樹さんはラジオの中で昭和くさい価値観を持った人だったように思っていて、ざっくりいうと、「汗水垂らして一生懸命頑張ったら、人生そう後悔はしないよ」という事をよく言われていたように思います。

僕(1号)はそういう価値観がとても好きで、たまにラジオからそのような内容の話が聴こえてくると、つい手を止めて音量を大きくして聞き入っておりました。

たまに出てくる弘樹節が好きで、今思うとそうやって、コツコツ頑張りなさいよ。と気づかぬうちにラジオ越しに言われていたようにも思います。
ちょっと美化しすぎかもしれませんが。

佐藤弘樹さんは、本当にラジオDJ一筋で、どうやら肺がんだったようですがそれでも最後までラジオの仕事をされていました。

僕らも体調不良で休まれる前日の放送を聴いていて、明らかに様子がおかしいなと心配していました。
6月3日に亡くなれていたようですが、ラジオでの発表は17日でした。休養してから2週間程だったようで、本当に命が尽きるまでラジオDJとして生きようとされていたのだなと思いました。

いやぁ、会った事のない方への事を農家の日誌に書くのもどうなのかと少し思いましたが、やっぱりラジオは農機具であって、農家にとっては欠かせない存在ですのでご勘弁下さい。

ご勘弁下さい、という言い回しとかが佐藤弘樹さんぽいのです!笑

僕もたまに冗談で、「死ぬなら畑で休憩中にそのまま死にたい」などと言ったりするのですが、つまり現役農家の状態で人生を終えたいという事です。
佐藤弘樹さんは現役DJのままこの世を去ったのだと思うと、不謹慎かもしれませんが、かっこいい去り際だと思います。

自分の仕事に誇りを持って、それを全うするなんて、もう伝説ですね。

農業はきっとこれからとてもとても厳しい時代に突入すると思っています。
結構頻繁に、「いつまでこんな風に野菜作って生計立てて生きられるんかなぁ。」と思ったりするのですが、細々とでも死ぬまで現役で畑仕事がしたいなぁと思いました。

今日は配達しながらボーッとそんな事を考えていました。

佐藤弘樹さん、楽しい朝の時間を、ありがとうこざいました。