ブログカテゴリ:考えごと
神戸にある公益財団法人PHD協会から
インドネシアの研修生が1週間、農業研修に来てくれました!
本題からずれますが、
PHD協会について、少し説明させてもらいます。
PHD協会は私(妻)が以前お世話になっていた団体で、
ネパールやインドネシアなど、アジアの村から青年を日本に招き、
農業や保健衛生、地域組織化などの研修を行っています。
物やお金じゃない支援の形で、村の人たちが自分たちの力で
生活や村をよりよくしていくための支援を行っています。
研修生は1年間、日本各地の農家さんや保育所、保健センターなどで
研修を行い、村での活動に生かすべく、知識や経験を積みます。
日本での生活の中で、日本の問題点に気づいたり、
自分の村の足りないところだけでなく、いいところに気づいたり。
日本のようになること、日本人が考える発展ではない、
その国の人たちらしい発展をすることを支援しているところが
私の理想の”国際協力”だなと感じます。
そして、私は私の場所をよりよくするために
頑張らなければと思わされます。
と、思いが溢れてしまいましたが、
そんなPHD協会の研修生として今年度1年間、
日本で保育や保健衛生の研修をしているリンダさんが
「農業の勉強もしたい」ということで、あらい農園に来てくれました!!
しかし、
9/18(日)から24(土)までの約1週間来てくれていたのですが、ずーーーっと雨。
稲刈りも一緒にできたらと思っていたのですが、それも雨で中止…。
結局、収穫と出荷作業以外ほとんどできませんでした。
そんなこともあり、農業研修として簡単に受け入れてしまったのですが、
リンダさんにとって、ここでの研修がどんな意味をもてるのか、
私たちが何を伝えられるのかと考えさせられました。
ただ、今は、技術的なことはまだまだ難しいですが、
日本の一農家としての現状やこの地域のこと、
生活のことなど、知って感じてもらえたらいいのかなと思ったりもしています。
そして、日本語が話せるリンダさん。
“まち”と”村”の違い、宗教について、野菜のことなどなど、たくさん話をしました。
知らない人だらけの”まち”より、みんな知り合いで、お互い話ができる”村”がいいと言うのが、
4月から黒田に住むようになって私が実感していることと重なり、すごく共感。
仕事が忙しくてなかなかゆっくり話せなかったりもするのですが、
近所のおばあちゃん、おじいちゃんがよく家に寄ってくれ、
話をする関係があること、私はすごく好きです。
また、リンダは子どもができてから、キレイな野菜が怖くなり、
自分で薬を使わずに作った野菜を食べたいという考えが生まれたそう。
有機農業で野菜を作っていながら、なぜ薬や化成肥料を使わないのか、
明確な答えが自分の中にまだみえてない私にとっては、とても印象的な言葉でした。
そして、うつ病についても研修したことを教えてくれ、
日本人の働き方についても話が広がり、
「幸せてなんだろねー」という話にも。
生まれ育った環境や宗教が違うリンダと話すことで、
気づいたり、改めて考えるきっかけをもらった気がします!
なにより、
夫婦2人だけのときとはまた雰囲気がガラッと変わって、笑い声がいっぱい。
2人だと煮詰まってしまうときもあるのですが、それをズバッと吹き飛ばしてくれました!
ではここから僕(夫)の感想も少し。
最初は、1週間も知らない人が家にいることには負担だなぁと思い、あまり乗り気ではありませんでした。
けれど、就農してからこれまでずっと、農業で生活をしていくこと=しっかり経営を安定させることばかりを考えてきて、それがいつしか極端な言い方をすれば、お金のための農業になっていたところもありまして。
それを是正するためにも、ここらで新しい事にも目を向ける必要があるんじゃないかと思い、リンダの受け入れに同意しました。
リンダはとても明るくて、仕事も真面目にするので、知らない人と一緒に生活を共にするストレスをあまり感じなくて、その点はすごく助かりました。
農業を教えるというよりは、反対によい経験をさせてもらったと思います。
日本語が話せる外国人と接する事はこれまであまりなかったので、色んな事を話せた事は本当に良かったと思います。
イスラム教のインドネシアの人も、まぁだいたいの感覚は同じだなぁと思いました。
それは、「きっと世界中の人は、そんなに違わない」というのを少し実感できたようで、世界が少し広がったように思います。
それとやっぱり農家としては特に
「オーガニックの野菜を子どもに食べさせたい」という言葉は、嬉しくなりました。
無農薬にこだわって野菜を作っていると、本当に、お母さん方にはそう思って頂きたいなと思いますし、食べ物をつくる立場としては、食べ物が大事だと思って欲しいのは当然なので。
「あなたのしている仕事はとても大事なこと」と言われている気にもなるので、そんなお母さんに会うと、やっぱり嬉しいです。それがあらい農園の野菜でなくても。
リンダも遠く知らないインドネシアの村で、そんな事を考えていたということが、ただ嬉しい気持ちになりました!
おっと長くなりました、、。
まとめるとですね。
お金や経営や効率化やら、そんなことばかりを考えてないで、違う事をしてみると、そこには新しい発見があるなぁという感想です。
それはこれから歳を重ねる中で、とても大切な事だなぁと思いました。
それを気づかせてくれた、妻とリンダには感謝ですね。
夫の感想でした!
長々と書きましたが、
いつもと違ったあらい農園の1週間でした!
久しぶりの農園日誌になってしまいました。
9月に入り、ようやく少し余裕が出てきたように思います。
本当はこの今の時期こそ、もう一踏ん張りしなければいけないのかもしれませんが、毎年この時期になると、夏の疲れや張り詰めていたものが少し緩み、心身ともにトーンダウンをしてしまします。
それも必要な気もしますが、冬に向けて、あともう少しは頑張らないといけません!
と、そんな風に頑張れ頑張れと自分たちに言い続けてきた結果、この夏は休日が片手で数える程しかなく、というか2日くらいでした。。
そのうち1日は熱中症でほぼ寝込んですごしたような感じでした。
夫婦ともに1回ずつ熱中症になったりして、まさに満身創痍な夏を過ごしていました。
なので、反省点としては
「働きすぎ」
これに尽きます。
農家は春夏が忙しい分、冬にはのんびりとした生活が送れるので、それを考えると1年間でバランスが取れるような気もするのですが。。
でもせっかく四季のあるこの日本で、夏を仕事のみで過ごすのはあまりにも、もったいないと思いました。
忙しいのは仕方ないとして、それでも少しは出掛けられるように来年は考えていきたいと思います。
忙しい原因は色々とあるのですが、一つには「作りすぎ」問題があります。
これは、夫婦間でもよく議論になるのですが、
・多めに作付をして、失敗や不作が発生したとしても、なんとか売れるだけの野菜を確保したい。だから必要以上に多く作る(夫の言い分)
・多くすると、結局手が回らずに、しっかり管理ができない。作付量を減らしてその分しっかりと手をかけてやるべき(妻の言い分)
今年は(というかこれまでも)基本的には、夫の言い分である、多めに作付をするという方法で、なんとか野菜の種類や数を確保してきていました。
なので、あらい農園は野菜のロスがかなり多いのではないかと思います。
この方法は、作る量が多くなるので、当然する仕事もとても多くなってしまいます。
仕事が多くなると、とても休んでられないし、無理に休んだとしても、「その分のしわ寄せが…」なんて事を考えてしまい、気が休まらないような感じです。
また、農業には「今この仕事をしなければ、後から何倍も大変な事になる‼︎」というタイミングがあり、忙しいがためにそのタイミングで作業ができずに、また効率が悪く更に忙しくなる。という事が発生します。
と書いていると、だったら効率よく適度な作付量で栽培するべきだと思うのですが。
これが難しいというか、自信がないのでなかなかできないのです。
特に天候面の影響で不作が出た時には、成す術がなくなるので、そのあたりのリスクも考えると、う〜ん。。と悩むところです。
この夏は幸いにも野菜が順調に育ってくれていて、その分収穫も管理も山ほどあったので、余計に忙しくなりました。
それと相変わらず、草刈りに奔走しました。
農地が増えると、その分草刈りが増えるので、このところは来年以降は慎重に考えなければいけません。
忙しい夏になりましたが、今年から夫婦二人になったので、なんとか乗り越えられたように思います(まだもうしばらくは続きますが)。
一人だと本当に綱渡り状態で、心身ともにどちらかのバランスが崩れると、農作業的にかなり厳しい事になりますので。
それが二人だと、本当に違いました。
農業を始めてからよく言われていた「農業は一人ではできひん」
というのは、必ずしも絶対ではないけれど、一人というのはあらゆる面で厳しいものだったなと思います。
1+1は3にも4にもなるのが農業ですね。
今年の夏は作業量や作付量などで、上限というか目安みたいなものが見えたと思います。
おそらくここからは、「いかに効率良く、良い作物をしっかり作るか」を考えていく事になります。
そうすると、今までみたいな体力気力まかせのがむしゃら農業じゃなくて、頭を使って考える農業になると思うので、より面白くなりそうな気がします。
まだまだ草も生えるし、冬野菜の準備も、その先の春野菜の準備もあって、油断ならぬ日々は続きますが。
日が暮れるのも早くなるので、徐々に来年にむけてプランや作戦を練っていきたいなと思います。
旅行と一緒で、実は冬に着々と準備をしていくのが楽しいのかもしれません。